
著者/坪倉 優介
出版/幻冬舎
評価/☆☆☆
Yukiさんのレビューを見て、読んでみようと思いました。
18歳で交通事故に遭い、記憶喪失になる。
今までの全ての記憶を失う。
何か映画やドラマでよくありそうな展開。
でも、本を読むとそんな甘いものじゃなかった。
食べることの意味。
寝ることの意味。
生きることの意味さえもリセットされてしまう。
そんな、尋常でない状況にも関わらず、
両親は彼を大学に通わせた。
大学に勤めているからか、親のこの決断に
とても興味が湧いてきた。
文字を見ても、線と点にしか見えない。
話す言葉の意味もわからない。
お金もどのように使えばいいかわからない。
ちなにみ彼の通っている大学は
toseaの家から車で30分ぐらいの距離の芸術大学。
人事のようには感じることができませんでした。
以前の記憶がなくなっているのだがから、
以前の絵が好きな自分もなくなっているのでは?
そんなことを思いながら読んでいたが、
結局、絵は彼を救った。
本を読んで、物事には複雑なものが多いように見えるが、
もっとシンプルに考えることができるのではないか?って思った。
生きるってことは、意識してするものじゃないんだろうけど、
普段、何気なくやっていることが、とてもすごいことで、
人間ってやっぱりすごいと思った。
違った視点から生きることについて考えることができました。
そして、何よりも両親。
toseaが親だったら、大学へやることはできないと思う。
子供にとってはとても辛くて、厳しいことだったと思うが、
それでも試練を課した親の厳しさの裏側にある愛情を感じた。
今、こんな愛情の形は少なくなっている気がするし、
自分自身が親の立場になったときに忘れないようにしたい。
本を読んでいてもっとも印象に残った文章がありまた。
「過去がなければ人は何もできない。」
過ぎたことより先のこと。
と、思っていたtoseaにとってはとても突き刺さるコトバでした。



